HSK6級に合格
2022/02/14
多くの中国語学習者の目標の1つであるHSK(汉语水平考试)。中国語学習を始めておおよそ2年弱でHSK6級に合格しました。
実際にHSK6級向けの勉強を行った期間は3か月、点数は235点(300点満点)でした。
今回はHSK6級合格のために実際にしたことと、おすすめの対策本を紹介します。
※上海での受験方法は、以前にHSK4級を受験した際の記事の中で紹介しています→「上海でHSK受験」
HSK制度の変更予定
HSK(汉语水平考试)とは、「中国政府教育部直属の機関である孔子学院总部/国家汉办が主催し、中国政府が認定する資格」とのこと。世界中で最も受験されている中国語検定です。
2022年2月現在、HSKは1~6級まであり、数字が大きくなるにつれて難易度が高くなります。
また、会話能力試験のHSKK(汉语水平口语考试)もあり、こちらは初・中・高と分かれています。
そして現在、HSKは元の1~6級から1~9級に変わるとの情報が発表されています。さらに、Twitter等では「HSKとHSKKを同時に受験しなければいけない(真偽不明)」等の情報も出回っています。
そのため、変更前にHSKを受験することにした方も多いのではないでしょうか。
実際、まだ不明確な部分が多いHSKの制度変更。今後の正式な発表を見守る必要があります。
HSK6級とは?
HSK6級は「主に5,000語かそれ以上の常用単語を習得している者を対象」としており、合格者は「中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口頭または書面にて表現することができる」とあります。
私は全くそんな中国語レベルに達していませんが合格できましたので、ご安心を。
HSK6級の試験内容は、聞き取り(听力)・読解(阅读)・作文(作文)の3構成です。
听力は45問を約35分、阅读は50問を50分と、4級よりも問題数がやや増えています。
6級で新しく登場する作文は10分間与えられた文章を黙読した後、35分間でその内容を400字程度で要約します。
点数は各100点の合計300点満点であり、180点(6割)以上が合格ラインとされています。
HSK6級対策法
私が実際に合格までに行った対策法を紹介します。
まず単語帳を一から覚えるのは諦めました。
そしてとにかく模擬問題集をひたすら解きました。だいたい3ヶ月ほど。
なぜなら6級の単語は5000語、単語帳の厚みもなかなかです。そのため、問題集を解いて分からない単語がでてきたら毎回調べるようにしました。
HSK模擬問題集は4級対策と同じシリーズの「汉语水平考试模拟试题集」と「新HSK全真模拟测试题集」を使用しました。
「汉语水平考试模拟试题集」は回答の他に解説がついている点が良いです。「新HSK全真模拟测试题集」は中国語の先生の推薦。
HSK6級では単語帳を使用して勉強するのを諦めましたが、5級までの単語は「HSK考试大纲词汇学习手册」シリーズで勉強しました。
聞き取り(听力)
HSK4級、5級と比較して、6級のリスニング問題は急に難しくなった印象です。
最初に聞いたときは50%以上解けませんでした。とくに采访(インタビュー形式)の所は組織名が出てくるためさっぱり。
問題集の後ろにリスニングで読まれた全文が記載されていたため、ひたすら原文を見ながら聞いて、知らない単語や言い回しを調べて対策しました。
読解(阅读)
読解は日本人にとって一番得点が取りやすい項目だと思っています。
とにかく長文を早く読む訓練をしました。問題を解いている間は、分からない単語が出てきてもスルーして全体の内容を早く把握することにこだわりました。
そして、読解の最初の正誤問題は中国人でも間違える問題です。
中国語の先生から、最初の正誤問題10問は飛ばして、時間が余ったら取り掛かるようにとアドバイスされました。
作文
作文は10分間で内容を覚えた後、その内容をなるべく忠実に書き出さなければいけません。
問題文によっては、要約したら中身がほぼなくなるんじゃないか、と思うことも。そのため、登場人物の名前や地名、時間は意識して覚えるようにしました。
作文対策に関しては、中国語の先生に毎回修正してもらいました。一見簡単な文章でもどうしても間違った文法の癖がついていることがあります。そのため、プロの手を借りることも大事。
また、400文字の作文は、書き終わった後に文字数が少なすぎて困ったり、誤字を発見したり、そもそも手書きは疲れます。
そのため、私はHSK6級ではインターネット試験を選択しました。パソコンでピンイン入力するため、難しい漢字を書かなくても良いですし、予測変換も可能です。
さらに、全文書き終わった後に修正したり書き足したりしやすい。
ただし、人名や地名など、漢字は書けるけれども何て読むのか分からない場合は困りました。
補足:インターネット試験(网考)
今回、私は作文のためにインターネット試験(网考)を選択しました。
インターネット試験の場合は、筆記試験(紙に鉛筆で書く試験)と違い、問題も全てパソコンに表示されますし、リスニングもパソコンにイヤホンを接続して行います。
座席に紙もペンも持ち込みできません。
試験会場に着いたらスマートフォンの電源を切り、パスポートと受験票以外の全ての荷物を教室内の前に置きます。
そのため、リスニング中にメモを取ることができません。
私は一番これに困りました。6級は本文が比較的長く、その後に質問文が読まれます。
私のように記憶力に自信のない方は、取り敢えず目星をつけてマークしておいて、質問文が始まってから考え直す方法が良いかも。
また、中国で受験する場合、キーボードは中国仕様です。
私は中々見慣れない見た目に少し戸惑いました。しかもピンイン入力設定がされておらず、ローマ字しか打てない(試験管に声をかけて設定してもらえました)。
試験開始前の個人情報を入力する時間に、キーボードの入力に問題がないか確認しておくことをお勧めします。
まとめ
以上、私がHSK6級合格のために実際にしたことと、おすすめの対策本を紹介しました。
まずは高得点よりも合格が目標であれば、とにかく問題集を何度も解くことが大切だと思っています。
少しでも参考になれば幸いです。