上海でHSK受験
2021/02/09
1月にHSK4級を受験しました。今回は、中国(上海)で個人でHSKを受ける際の申込~受験の方法とHSK対策におすすめの本を紹介します。
現在は新型コロナウイルスの影響でHSKが中止になっていたり、移動制限があったり(上海から離れた人はPCR検査が必要)と、通常と異なる対応が求められる可能性がありますので、注意が必要です。
HSKとは?
HSK(汉语水平考试)とは、「中国政府教育部直属の機関である孔子学院总部/国家汉办が主催し、中国政府が認定する資格」とのこと。世界中で最も受験されている中国語検定です。
HSKは1~6級まであり、最も難易度が高いのが6級です。
※今後、HSKは現在の1~6級から1~9級に変わるとの情報あり
また、HSKとは別に会話能力試験のHSKK(汉语水平口语考试)もあり、こちらは初・中・高の3つの級があります。
HSK4級はどのレベル?
中国語学習を始めて、HSK4級から受験する方も多いのではないでしょうか。
HSK4級は「主に週に2~4回の授業を4学期(2年間)習い、1200程度の常用単語を持つ者を対象」としており、合格者は「幅広い範囲の話題を中国語でコミュニケーションすることができ、中国語母語者と流暢に話すことができる」とあります。
この紹介を見ると難しそうに感じてしまいますが、漢字を使用している日本人であれば、紹介文ほど難易度は高くありません(私は全く流暢に話せませんが合格できました)。
HSK4級の試験内容は、聞き取り(听力)・読解(阅读)・記述(书写)の3構成です。
听力45問を30分、阅读40問を40分、书写15問を25分で回答します。点数は各100点の合計300点満点であり、180点(6割)以上が合格ラインです。
HSK申込・受験方法
それでは、中国(上海)でHSKを受ける一連の流れをざっくり紹介します。今回は新型コロナウイルス対策下、個人での申込でしたので、同じ状況の方の参考になれば幸いです。
1.汉语考服务网(www.chinesetest.cn)へ
2.「日本語」をクリックして日本語表示に変更
※中国語(简体中文)で進める場合は()内を参考にどうぞ
3.「登録(注册)」をクリックして新規ユーザー登録
→情報を記入して新規登録を完了させます。
4.「ログイン(登录)」をクリックして個人ページへ
5.「試験申込み(考试报名)」→「HSK*級申し込み(报名)」をクリック
※トップページの「HSK」からも進めることが可能です
6.試験会場・試験方法を選択
7.個人情報を入力、写真アップロードし提出
※写真の画像サイズは180×240ピクセル、100KB以内になるように編集が必要です
8.受験料の支払い
→試験費用の支払い方法は、网银支付、快捷支付、扫码支付から選択できます。扫码支付(QRコードをWeChatで読み取り)が便利ですが、銀行口座を持っていない(银联カードがない)方は代わりに誰かに払ってもらう必要があります。
9.試験10日前に受験票の連絡メールが来るので、ログインして受験票を印刷
※自宅にプリンターがない場合は、USB等に受験票PDFを一旦保存し、「复印」や「打印」と書かれたお店で、プリントアウト(打印)を頼むことが可能です。
10.試験当日まで試験会場からの指示に従うこと!
※1月受験時は試験2週間前から上海を離れないように通知があったため、今後受験予定の方もご注意を。もし上海を出た場合は、事前のPCR検査が必要でした。
HSK試験場所の選択
試験会場は、「試験会場の情報(考点信息)」からも確認できます。
HSK試験方法の選択
選択できるHSKの試験方法は基本的には下記の2つ。
- 纸笔考点
- 网考考点
現在は、自宅でインターネットを使って受験する方法(居家网络考试)もあるようです。
纸笔考点は、紙に鉛筆で記入する試験です。マークシート形式ですが、記述(书写)は文章を記入します。
网考考点は、試験会場にあるパソコンで回答を選択・記入します。記述(书写)もパソコン入力のため、慣れていないと時間がかかってしまうかもしてません。
上海が選べない!?
現在、試験会場で上海が選択できません(選択肢に表示されません)。
私が最初に受験しようとした際も、上海を選ぶことができませんでした。中国語教室の先生曰く、新型コロナウイルスの影響とのこと。
ただ、なんとなく1月試験の申込締め切り日に見たところ、上海が選べるようになっていました。そこで情報入力と写真アップロードして進めていくと、途中で「既に満席」の表示が。。。。
やっぱり駄目かーと諦めていると、試験会場から電話があり「席が空いたから受験できる」とのこと!運よく受験申込ができました。
電話は中国語でしたが、「受験したいかどうか」「試験前2週間は上海を離れないか」の確認のみでしたので、「好的」くらいしか私は話せなかったのですが、なんとかなりました。
そのため、試験会場で上海が選べなくてもどうしても受験したい方は、会場に連絡して状況を聞いてみることをお勧めします。
HSK試験当日の流れ
そして迎えた当日!2021年1月に上海の会場で受験した際の流れを紹介します。
1.試験会場へ
※通常は試験開始30分前ですが、現在は1時間前に来るように連絡がありました(おそらく、コロナ関連の書類や確認があるため)
2.新型コロナウイルス関連の書類記入、随申码・通信出行码アプリのコードを提示。
3.適当に座って待機。試験級・方法ごとに呼ばれたら部屋へ移動。
※待機中に飲み物が欲しい場合、日本のようにどこにでも自販機はないため、予め持って行くことをお勧めします。私は外に出てコンビニを探す羽目になりました。。。
※同じ会場の受験生はほとんど韓国人と日本人でした。4級筆記試験(纸笔考点)は10人ほどで、インターネット試験(网考考点)の方が多い印象。
4.パスポートを提示して入室。スマホの電源は切って、荷物は部屋の前へ。
※荷物は全員分をまとめて椅子の上に置くだけでしたので、多くない方が良いです。
5.自分の受験番号が書かれた席に着席。パスポート・筆記用具は机の上へ。
※今回の部屋には時計がありましたが、念のため腕時計があると安心です。
6.試験の案内
※説明は中国語でしたが、聞き取れなくても前のホワイトボードに時間が書いてありました。ちなみに、リスニング(听力)試験中のトイレ退室はNGです。
7.試験開始
※今回受験した会場では、リスニング(听力)は部屋に置いてあるCDプレイヤーを使用。
当日持って行くもの
- パスポート
- 受験票
- 2B鉛筆
- 消しゴム
パスポートがないと試験会場にも入れません。絶対に忘れないように!
筆記試験を選択した場合は、2B鉛筆と消しゴムは必須です。
私はマークシート用のシャープペンシル(コクヨの鉛筆シャープ↓)も持って行きましたが、鉛筆も持って行った方が安心です。鉛筆のみと指定される場合もあるようです。
HSK対策におすすめの本
今回のHSK4級対策は1月受験の申込をしてから開始したため、1ヶ月しかありませんでした。しかも中国で本を購入する段階からスタート。。。。
そのため、HSK模擬問題集で出題形式に慣れることと、単語を覚えることだけに集中。
結果として9割以上の点数を取ることができたため、実際に使用して良かった本を紹介します。ただ、听力は83点と単語を覚えるだけでは対策は不足気味でした。
HSK対策おすすめ問題集
HSK模擬問題集は「汉语水平考试真题集」と「汉语水平考试模拟试题集」を購入。
听力で流れる文章はあまり捻った内容ではないため、困った時は聞き取れた単語を選択すれば合格ラインは達成できると思います。そのため、単語帳を選ぶ際は音源付きがお勧め!
书写では、絵と単語を見て作文をしなければなりませんが、簡単な一文で大丈夫です。そのため、単語の意味と使い方(只要~就~など)を覚えるのが合格への近道だと考えています。
HSK対策おすすめ単語帳
単語暗記用には「HSK考试大纲词汇学习手册」シリーズの1~3級と4級の2冊を購入。
意味・例文の他に間違いやすい単語には正誤例あり(重要!)、ページ数が多すぎない(途中で心が折れない)、音源ダウンロード可能(リスニング対策)の3点がお勧めポイントです。
ただし、HSK考试大纲词汇学习手册シリーズの5級以上は、意味の記載がなくなるためお勧めできません。
日本で買うなら「合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック」が高評価でお勧めです。
まとめ
以上、上海でHSKを受けるにあたっての方法と当日までの流れ、おすすめの対策本を紹介しました。
少しでも参考になれば幸いです。